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「龍馬伝」最終回を見て・・・ [ドラマ]

 「その時」は、あっという間にやってきた。

 大政奉還という大仕事を終えた龍馬が京都の近江屋の二階で隠れ住み、「その時」を待つだけの日だった。

龍馬は新政府の構想を立て、その中に「○○○」という人名を書いている。その人物とはいったい誰なのか、龍馬が新政府の中心として置きたい人物は誰なのか、各藩の重臣は龍馬の心中を探る。龍馬が決めたことがそのまま新政府の形になるかのごとき、大きな存在。土佐藩の下士であり、一脱藩浪士の龍馬には、これほどまでの影響力があったのだと痛感する。明治という新しい時代まであと二ヶ月というこ慶応3年11月15日、坂本龍馬は33歳の生涯を閉じる。

 龍馬が暗殺された時の状況は、いろんな番組で見てきていた。近江屋で過ごす龍馬のいる部屋の中には、あの掛け軸がかかっている。そう、龍馬の血痕が残っているという掛け軸。その前には、龍馬の太刀がおいてある。その太刀を取り、龍馬は応戦する。刀を抜く暇もなく、その柄で刀を受け、その跡が残っているという太刀。そんな色々な龍馬暗殺を暗示する小道具が、部屋の中にはちりばめられている。NHKの「龍馬伝」においては、龍馬暗殺の犯人は見廻組という解釈だった。徳川のために命をかけていた見廻組が、その徳川をなくしてしまった龍馬に恨みを抱くという設定だった。本当のところはわかっていない。見廻組か、薩摩藩か、長州藩か、紀伊藩か、それとも新撰組か。NHKの解釈は、その中でも納得のいく解釈だったかもしれない。龍馬を訪ねて来た中岡慎太郎の後をつけ、そして龍馬の居場所を突き止めた見廻組。その見廻組に、岩崎弥太郎が「龍馬は殺されるようなことはしていない。龍馬を助けてくれ。」という場面が印象的だった。

 龍馬の誕生日である11月15日、その夜、ついに中岡慎太郎が近江屋を訪ねて来た。龍馬は風邪気味。中岡は、「○○○」の意図を聞くために龍馬を訪ねる。中岡は龍馬と一緒に暗殺される人物であり、私の知っている龍馬暗殺の状況が、ひとつひとつとそろっていく。そして龍馬は、下男にしゃもを買いに行かせる。そして近江屋に見廻り組が入ってくる。騒音に「ほたえな!」という龍馬の一言。そして、あっという間にその時が来た。暗くなった部屋の中で起こったことは、あまりはっきりと見て取ることはできなかったが、きっとそんなもんだったんだと思う。暗くなった部屋でのあっという間の出来事。龍馬は最後、中岡に「自分の命を使い切ることができたか?」と聞くが、それに対して中岡は「まだまだこれからだ。」と答える。「まだまだか。」と龍馬は言い、そして笑う。この時の中岡の気持ちはわかる。龍馬を死なせたくない一心だったと思う。しかし、龍馬はどうだったろうか。自分の死を悟り、自分にするべきことはできたかと中岡に聞く龍馬の気持ち、「まだまだこれからだ。」と言われ自分を笑う龍馬の気持ちはどんなもんだったのかと思う。もちろん悔しいだろうし、まだまだやりたいことがあった。これからは家族と仲間と世界を見て廻り、蝦夷地に村を作りたいと夢を語っていた龍馬。そんな龍馬の気持ちは「悔しさ」であろう。しかし、やるべきことはすべてやってきた、自分の命の灯を燃やし尽くして日本のために働いてきたという「満足感」もあったのだろうか。最後の龍馬の言葉には、そんなことを考えてしまう。

 毎週楽しみにしていた大河ドラマは、「新撰組!」以降初めてである。やっぱり私は幕末が好きなのかもしれない。そして、福山雅治はやはり素敵だった。そして何より、坂本龍馬という人物の器の大きさと、見通しの広さと、革新的な考えに、衝撃を受けた。身分制度の厳しい江戸時代の土佐、そんな場所で育った名もない下士が、人を動かし、国を動かす。そして彼の生き様は、現在に生きる私たちまで大きな影響を及ぼす。

 坂本龍馬・・・大きな人物。本当に大きな人物だ。
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