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善徳女王最終回 [ドラマ]

 入院していた時に見始めた「善徳女王」ですが、今日62話を見終わりました。久々に面白かった韓国時代劇でした。最後は涙出そうになったもん。
 このお話は、トンマンという女の子の一生を描いた作品です。トンマンは、新羅の王の子として双子で生まれ、それが不吉だということで、赤ちゃんの時に侍女が預かって王宮を逃げ、タクラマカン砂漠で育った女の子。そのトンマンが、新羅で初めての女王になります。男と偽って花朗と呼ばれるまぁ軍隊のようなところに入り、そこでユシンという男性に出会うのですが、ドラマの前半はこのユシンとトンマンの恋が描かれています。しかし、トンマンが王になることを決め、実直なユシンは、自分の恋をあきらめてトンマンに仕えることを選択します。かけおちまでした二人でしたが、トンマンの王になるという強い意志を、ユシンはそばで支えることを選ぶのです。「明日からはもう涙をぬぐってやることができない」という言葉は、ユシンが王室に入ると決めたトンマンにかけた言葉。自分の想いを心にしまいこみ、ユシンとトンマンは、三韓統一という大きな夢のために自分の恋をあきらめるのです。それが前半。

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 後半は、トンマンが王になってからのお話なんですが、ここで出てきたのがピダム。ピダムはトンマンの政敵であるミシルと前王の息子なんですが、ミシルはピダムが役に立たないとわかったとたんに捨て、ムンノという剣豪の下で育てられます。ミシルに捨てられ、ムンノには愛されず、ピダムは愛されなかった子供として描かれています。そんなピダムとトンマンが恋愛関係になるとは意外でした。トンマンは譲位してピダムと静かに暮らしたいと考えていたのですが、ピダムの出生を利用する側近にだまされ、トンマンが自分を殺そうとしていると思い込み、反乱の首謀者となるのです。ピダムが王になりたい理由はただひとつ。トンマンを手に入れること。王は神国に恋しているんだと以前トンマンは言っていました。神国に恋をするのであれば、自分が神国になればいい。そうすればトンマンが手に入ると、人を信じ切れなかった子供は考えるのです。そして、乱の最中に自分がだまされていたことを知るピダム。トンマンは決して自分を裏切ったわけではなかった。自分は愛されていたのに、自分がトンマンを信じ切れなかった。トンマンは王として、もちろん反乱軍の討伐を指示していますから、ピダムに残された道は死しかありません。反乱軍は、ユシン軍に制圧され、仲間の貴族もみなつかまりました。トンマンの前に現れたら、自分は死ぬしかない。しかし、ピダムはトンマンのもとに向かうのです。「伝えるべきことを伝えていない人がいる。それを伝えに行く。」と・・・。

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 そしてピダムは、トンマンの前に現れます。たった一人で。遠くに見えるトンマンを見て、「陛下か?あそこに陛下がいるのか?」とユシンに確認し、トンマンを守るたくさんの兵士を殺し、トンマンのそばへ行こうとするピダム。たくさんの兵士とたった一人で戦い、こちらに向かうピダムを見るトンマンの目には涙があふれています。自分に会いに来るピダムを助けたいけど、ピダムは反乱の首謀者。王としてそれをとめることはできません。「トンマンまであと70歩」

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 弓兵部隊が到着し、ついにピダムは胸に矢を受けてしまいます。それでも立ち上がり、血を流しながらピダムは言います。「トンマンまであと30歩」

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 胸に3本の矢を受けながら、それでも剣をふるい兵を殺すピダム。トンマンに迫るピダムに、数人の将軍が剣で応戦し、ピダムは刀何度も刀を受けます。それでも、剣を支えに立ち上がるピダム。「トンマンまであと10歩」

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ついにアルチョンとユシンが剣を持ってピダムに向かいます。アルチョンとユシンに切られ、それでもトンマンに向かうピダムに、ユシンは黙って首を振ります。それ以上行くな・・・それでもトンマンに歩みを止めないピダムに、ユシンは致命傷を与えます。正面から腹に剣を突き刺すユシン。ユシンの肩の上で「トンマン」とつぶやくが、その言葉はユシンにしか聞こえない。ユシンの最後の一撃にその場に崩れるピダム。少しでもトンマンに近づきたいのか、腕をトンマンの方に上げながら倒れるピダム。倒れてもまだトンマンを見て手を出すピダムであったが、ついに力尽きて手を地に落とす。落とした手の先が最後に震え、ピダムは絶命する。ピダムの死を確認し、トンマンは反乱の制圧を宣告する。そして、持病のあったトンマンはその場に倒れる。倒れたその正面に見えるのは、絶命したピダムの顔であった。

 最後のピダムの言葉をユシンから聞くトンマン。以前トンマンはピダムに「王は名前を呼ばれない。呼ぶと反逆者になるからだ。」と言っていました。女として自分の名前が呼ばれないことに寂しさを感じていたのでしょうか、ピダムは「それならば私が呼びます。」と、トンマンに言っていました。最後にトンマンの名を呼んで絶命したピダム。そのピダムを王として殺さなくてはいけなかったトンマン。女が王になるということは、こういうことなのかと思う。ユシンとの恋、ピダムとの恋、そのような女としての喜びではなく、王として国のためにしなくてはいけないことを遵守しなければならない。それが大切な人の命を奪うことになろうとも。

 トンマンはその後、三韓統一の夢をアルチョンとユシンに託し、ユシンの前でこの世を去ります。トンマンの墓の前で語り合う白髪になったアルチョンとユシン。ユシンは百済を破り、次は高句麗に進撃するらしい。トンマンの夢は、髪が白くなろうとも、二人に引き継がれているのです。

 悲しいお話でした。王の責任感の前では、すべてが無力。王という権力者になったトンマンは、国のためにならば何でもできるけど、自分のためには何もできない。愛する人と結ばれることはもちろん、自分の名前を呼んでもらうことすらできない。無力。ただ無力。その悲しさが残るいいドラマでした。トンマンというカリスマ的な女王と、その女王を守る三人の男、ユシン、ピダム、アルチョン。 悲しくて辛いけど、いいドラマでした。
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HWK

見る予定にしている歴史ドラマです。

by HWK (2011-01-01 00:52) 

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