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なんで一段一段なんだろう [いろいろ]

 今日は、ライブで女子モーグル見てました。


 モーグルの上村愛子は、やっぱ見たくて、夜にニュースで見るのではなく、その瞬間を見たいと思って、出かけないで見てました。試合が始まる前に、色んな特集をしていて、彼女がどんな思いでこのオリンピックを迎えているのかを考えると、涙がでそうなことが何回もありました。彼女にはメダルを取って欲しかった。1回目のオリンピックで7位、2回目は6位、3回目は5位、4回目の今回は4位に終わって、またもやメダルを取れなかった彼女。「オリンピックでメダルを取るのは本当に難しい。」と言う彼女の言葉には重みがある。スポーツ選手にとって、オリンピックで金メダルを取れるかどうかは、引退してからの人生が全然変わってしまうし、ひとつの形としてメダルを取りたいという気持ちもよく理解できる。彼女は、その後の人生まで考えているかどうかはわからないが、きっとそれ以上に今回は形としてのメダルが欲しかったのではないかと思う。メダルを取る実力をもっていながら、一度もメダルを取れない彼女。オリンピックでメダルを取るためには、何をすればいいのか?というのが彼女の4年間の課題であり、その30秒のために努力を重ねてきた。全ての選手が同じだとは思うが、やっぱり上村愛子にはメダルを取って欲しかった。

 決勝で彼女が滑っていた時、なんだか板がバタついていて、跳んでいるような感じがしたので、ハラハラしながら見ていました。コケないか、エアは失敗しないか、本当にハラハラしていました。なんだかそんなにスピードも感じなくて、その前の選手が速かっただけに、これって1位になれないんじゃないの?と思っていたら、やっぱり2位。上位選手があと4人も残っているのに、2位はキツイ。上位選手が失敗でもしない限り、メダルは厳しい。選手の失敗を祈るのは申し訳ないんだけど、なんだかそのような気持ちにもなってきて見ていたら、次の選手もその次の選手も失敗して脱落した。残り2人で2位。しかし、上位選手はやっぱり強かった。2人ともラップタイムを出し、上村愛子は4位になった。

 試合後のインタビューで、泣きながら「なんで一段一段なんだろう。」と言う言葉がとても重く響いた。4年かけて1段、また4年かけて1段。運も持ってないといけない部分があるのはわかります。長野の時の里谷多恵選手なんかは、あっさり金メダルを取り、次のオリンピックでも銅メダルを取っています。でも、取れない人はとことん取れないのはどうしてなんだろう。なんで1段しか上れないのでしょう。他の試合では勝てても、オリンピックだけは勝てないのはどうしてなんでしょう。私、このオリンピックで上村愛子は引退するような気がしてならないのです。35歳くらいの選手もいますから、あと1回くらいはオリンピックに出る事は可能だとは思うのですが、彼女にとっては今回の負け方は、とても悔しいのではないかと思うのです。なぜかと言うと、それは攻めた滑りではないと思ったからです。メダルを取った3人は、攻めた滑りをしていました。失敗した2人も、攻めた滑りをした結果、失敗をしてしまっただけで、私は彼女の滑りに攻めの印象はもたなかったのです。第一エアが終わって、失敗したターンがありました。そこでタイミングをずらしてしまい、そこからのターンがその失敗を補うのでいっぱいになってしまい、攻めきれなかったのではないかと思うのです。そんなにスピードが出ているわけではないのに、板が跳んで跳んで、よくあの状態で第二エアに入れたところが、彼女の技術の凄さだとは思うのですが、守りの滑りをしてしまったんじゃないかと思うのです。あのまま攻めていたら、今回の成績も残せなかったのかもしれないのですが、あのターンが失敗した時点で守りの滑りを選択した自分を、きっと上村愛子は後悔しているのではないかと思うのです。もう若くない、あと4年後のことは考えていない、そして多くの経験が彼女にそような選択をさせた。あそこで攻めていれば、もう少しタイムが上がって、メダルに食い込んだかもしれない。前回、前々回のオリンピックの彼女のスコアは、なんでもっと伸びないの?上村愛子の方がいいのに、と思うことがありましたが、今回のメダリストは、確実に彼女の滑りを上回っていたと思うのです。それは、1点くらい離されたスコアを見てもわかるのですが、彼女は完敗でした。彼女は素晴らしい滑りをしましたが、それ以上に素晴らしい滑りをした選手が3人もいたからメダルを取れなかった。それは、本人が一番わかっている事で、あの一瞬にした自分の判断を、死ぬほど悔やんでいるのではないかと思うのです。4年間努力をしてきて、ついにオリンピックの舞台に立って、試合をしているあの一瞬にその判断をしてしまった自分を考えると、次のオリンピックのことを考えられないのではないかと思うのです。そんな究極の状況で、その判断をした自分を考えると、4年後に希望をもてないのは当たり前。だからこそ、彼女はこのオリンピックで引退するのではないかと思うのです。1段ずつ上ってきて、次の段はメダルの段だと思えば、まだまだ続けて欲しい気はします。実際に、彼女は今回メダルを取ったら、それで引退なんじゃないかとも思ってたし、まだまだ見たいからメダルを取らないで・・・なんてことも一瞬思ったこともありました。まだまだ彼女のモーグルが見たい、彼女にメダルを取って欲しい、そう思う人はいっぱいいるのではないかと思います。私も心から、次のオリンピックを考えて欲しいと思うけれど、そんな気がしてならないのです。

上村愛子2.jpg
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JB

はじめまして、流行語大賞ノミネート対象の「なんで一段一段なんだろう」の語源が分からなかった為、調べててここに行き当たりました。

初めてです。他人様のブログを繰り返し読んでしまったのは。
心にジーンと来ました。

『なんで一段一段なんだろう』

今、キーボードを叩きながらも涙ぐんでしまっています。
by JB (2010-11-12 15:03) 

みらの

JBさん
 うれしいお言葉ありがとうございます。スポーツって、ありきたりな言葉だけれどドラマがあります。その一瞬のためにすべてをかけて努力するからこそドラマがある。だから、見ている人たちの心をうつんでしょうね。どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。
by みらの (2010-11-14 01:12) 

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